人物Character
エピソード(その1)
Enric Trillas Ruiz 先生より
スペイン マドリード工科大学名誉教授、European Centre for Soft Computing名誉研究員、スペイン科学研究高等評議会(CSIC)会長、スペイン国立航空宇宙技術研究所(INTA)所長、スペイン国家科学技術研究計画事務局長等を歴任菅野がマドリード工科大学の人工知能学科に招聘され、マドリード郊外のアパートで一人暮らしをしていた時のこと。ある日曜日、家の鍵もガレージの鍵も全て家に置いたまま部屋を出てしまい、車を駐車場から出すことも部屋に戻ることも出来なくなってしまった。途方に暮れた様子での菅野からの電話を受け、Trillas先生は仕方なく救出のため家から飛び出した。
ところが、あいにくその日はアパートの住民がみな外出中だった。なす術もなく2時間くらいが経過し、ついに警察署に助けを求めに行こうとしたちょうどその時、アパートの住民がドライブ旅行から帰宅した。その方がTrillas先生を建物の中に入れてくれたので、持っていたスペアキーで菅野の部屋に入ってガレージと車の鍵の束を見つけ出し、ようやく救出に成功したのだった。
Trillas先生が日本を訪問した日、菅野は成田空港で出迎える約束だった。
しかし成田に到着すると菅野の姿はなかった。そこで、事前に受け取っていたFAXから菅野研究室の電話番号を探し、小銭を両替して電話をかけたところ、菅野から思いがけない言葉が返ってきた。
「今日は成田空港で何をしているんですか?」
菅野は翌週だと勘違いしていた。
長津田キャンパスの研究室に居た菅野は、いまさら成田空港へ向かうには遅すぎたが、幸い、成田空港からT-CAT(東京シティエアターミナル)への無料リムジンバスが運行していたため、Trillas先生が自力でT-CATまで移動できるよう電話口で説明し、無事T-CATにてTrillas先生を出迎えることができた。
鬼沢 武久 先生より
筑波大学名誉教授、日本知能情報ファジィ学会第9期会長まだ菅野研究室が大岡山キャンパスにあった頃の話です。当時、私は寺野・菅野研で購入した日立のミニコン、HITAC 10 II/A の管理をする役割を担っていたこともあり広い部屋にいました。午後5時過ぎになると菅野先生が入って来られて「いやー、暇そうだね」と声をかけられるのです。何を隠そう、この一言は4人でするゲームへのお誘いで、私の居室がゲーム部屋へと早変わりするのです。この「いやー、暇そうだね」の一声は忘れることができません。ゲームと言えば、研究室が横浜・長津田にあるキャンパスに移ってからは研究室でコントラクト・ブリッジなどもするようになりました。
菅野先生は研究をするときはきっちり研究をし、遊ぶときはとことん遊びに徹するという研究と遊びとにメリハリをつけておられたように思います。そういった意味で研究内容はファジィに関するものなのに、研究と遊びの境界はファジィではなくクリスプであったように思います。
谷口唯成先生より
東海大学 教授~トラブルに関して~
飲食をしながら,菅野先生からよくトラブルに関するお話を聞かせていただいたのですが,私が同行させていただいている時には,ありがたいことにご経験されたトラブルを元に行動されていらっしゃったのかほとんどトラブルらしいものはなかったです.
スペインの研究所で勤務されていたころ,国際会議の招待講演のため,アストリアス空港に向かわれたのですが,国際会議事務局から送られてきたEチケットにはそもそも運航していないエアラインの便名が記載されていた.
当時首絞め強盗が多かったマドリードでバルにいくため,背後を取られないようにホテルの壁に沿ってバルに向かわれた.
スペインオビエドのアパートで自動ロックがかかり,家に入れなくなった.
ヒースロー空港で,管制官のストライキにあたり全便欠航する中,何とか帰国された.
スペインバレンシアで私も同行し,旧市街地観光を行ったが,日曜日であったため,ホテルでの換金もATMも稼働せず,わずかな手持ちの現金を使い地下鉄を利用して帰った.
~グルメについて~
国際会議出席時やスペインの研究所訪問の際にたくさんのグルメに同行させていただきました.
理化学研究所に所属されていたとき,お寿司屋さんで調査された手法で自家製のイクラの醬油漬けをチームメンバーに振舞っていただきました.菅野先生の当時のお宅にてチームメンバーが招待されたホームパーティで菅野先生お手製のおいしいパスタをいただきました.
スペインオビエドでは,日本では亀の手と呼んでいるペルセベスの塩ゆでを食べに行くのに何度か同行いたしました.大変おいしいのですが,剥き方によってはペルセベスの赤い汁が手前に飛んでくるため気を付ける必要があります.何度も食されている菅野先生は染み抜きティッシュを持参してレストランに向かわれていました.
スペインでは,皿に盛り上がるように積まれたイベリコ豚の生ハムであるハモンイベリコのスライスとパン,リオハの赤ワインをよく頂きました.これもとてもおいしかったです.
バルセロナでは,オリンピック港にある海鮮レストランや,様々な種類のあるタパスをつまめるバル巡り,セッタポルタスでのパエリアなど美食に同行させていただきました.
共同研究者のLukaさんがバスク出身であったため,サンセバスチャンでバル巡りしながらおいしいピンチョスをいただいた記憶があります.またLukaさんが所属しているバスクの美食倶楽部にも同行させていただきました.
イタリアカターニアのパスタ専門店で,店先にあるシーフードを選んでオイルベースのパスタをオーダーされておいしかったです.
タイのプーケットで生け簀が並んでいる海鮮レストランで食べた絶品の海鮮料理.
アゼルバイジャンのバクーでは,串焼きや骨付き肉の形で出てくるケバプもおいしかったです.
2000年代はじめから獺祭に注目されていたように日本酒やフランス,スペインのワインに詳しい菅野先生ですが,夏の暑い時期にはモヒートを好まれるなどお酒全般に関しても深い造詣を持たれていました.
顕著な研究業績や研究者育成に関しては書籍やインターネット上に文章情報としてたくさん残っているのですが,このようにグルメに関しても菅野先生が高い造詣を持たれていたと思います.

